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SteppIRアンテナを使用するには、コントロール関係の基本設定を行わなければならない。同軸をトランシーバまたはアンテナアナライザ(今回はMFJ259Bを接続)に接続したら、オンマウスの写真のように、専用ACアダプタとコントロールケーブルのDSUB25ピンコネクタをコントローラへ接続する。基本設定モードでは、ドリブンエレメントのオフセットや、6m用と40/30m用エレメントの有無、そしてトランシーバインターフェースの有無を設定する。設定は該当するSWを押し、LEDをON(点灯)/OFF(消灯)させる。今回上げたアンテナはオプションのエレメントやインターフェースが無いので、5番(12mのLED)以外は全てOFFにする。 |
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アンテナとコントローラが正常に動作しているかを確認するため、各バンドにおけるSWRを測定する。MODEスイッチでAmteurモードにし、20mのSWを押す。ディスプレイに20m 14.050MHzが表示され、同時に * が点滅。各エレメントが正規の長さに設定されると * の表示は消える。今回はMFJ259BでSWRを測定したが、14.000〜300の間でSWRが2.0以下だった。ヌルポイントは14.100で1.1。次に18,21,24,28そして50MHzにQSYしてSWRを確認。各バンドともSWRがバンド内で1.1〜1.3に収まるポイントが得られ、正常に動作していることが分かった。ここまでくると直ぐに電波を出したくなるのだが、マニュアルに従い、さらに細かな設定を行う。 |
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SteppIRのエレメント長は、EHU(Element Housing Unit)に収められた状態をホームポジションとし、その位置が基点となっている。そしてバンドのSWを押すと、あらかじめプログラムされた長さのエレメントをステッピングモーターでEST(Element Suport Tube)に送り出す仕掛けになっている。運用に当たっては、その送り出す絶対量を較正する、キャリブレーションを行わなければならない。Amateurモードで任意のバンドを設定した後、Setupモードに移り、Calibrateを選択し実行する。エレメントは一端ホームポジションに完全に巻き取られ(この時EHUが少し大きめの音を発生する)、数秒後に必要量のエレメントが送り出される。キャリブレーションは各バンドの各セグメント(20mの場合は,14.050,200,300)に対して行うと良い。 |
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キャリブレーションを行ったら、再度SWRを測定する。今回上げた3エレメントのSteppIRは若干高めにSWRのヌルポイントが有ったが、バンド幅も広く問題は無かった。もし特定のバンドでSWRが高い時は、DVR(ドリブン)エレメントの長さを調整し、SWRを下げれば良い。これがSteppIRの真骨頂。オペレーションデスクの前に座っていながら、エレメントの長さを必要なだけ調整することができる。オンマウスの写真は14.050MHz時のDVRエレメント長を変えようとしているところ。エレメント長は0.2インチ(約5mm)ステップで変更可能。降雨時や降雪時に生じる共振点のシフトも右側のUP,DNスイッチで調整するか、ここで述べた方法を使ってSWRを下げれば良い。 |
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雷が発生した時や強風時、そして長時間運用をしない時は、SetupモードのRetract Elementsを選択し、エレメントをホームポジションに格納するようにしたい。近くで雷が発生している時は、コントロールケーブルとACアダプタも抜いておけばリスクを最小限に抑えることができる。 |
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基本設定とキャリブレーションが終わり、SWRも低いことが確認できたので、早速14.084MHzのRTTYモードでCQを出してみた。数回CQを出した後、W4の局に呼ばれ、SteppIRによるファーストQSO。彼も3エレメントのSteppIRを20mの高さに上げているとのこと。なんと幸先の良い事か。こちらの信号も彼のように強く届いているかな?ワクワクしてきた。QSO中にビームを180°反転するSWを押すと(オンマウスの写真を参照)、一瞬のうちにW4の局はノイズレベルに。慌ててノーマルポジションに戻した。これは楽しい。 |