JA1WSK's Shack
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目  次

4. 3elements SteppIR completed
  (Only Japanese)
4-1.発注と納品
4-2.組み立て前の下準備
4-3.組み立て(前編)
4-4.組み立て(後編)
4-5.初期設定と運用をしてみて
4-6.インプレッション(使用感)

Last update 
21 August,2010
4.組み立て(後編)
タワーが建っている場所は二方が崖。しかも周りには立木がたくさんあり、タワーの根元では作業ができない。アンテナの組み立てやメンテナンスを行う場合、写真のようにエレベータを降ろし、車庫の屋根の上でやっているが、ここに登るのでさえ最近は辛くなってきた。
一度組み上げたブームを3分割して駐車場の屋根に持ち上げ、再組み立てを行う。左がREF(リフレクタ)、中央がDRV(ドリブン)そして右がDIR(ディレクタ)のEHU(Element Housing Unit)。オンマウスの写真は1本に組み上がったブームを俯瞰した様子。今回使ったマストクランプは、CD-318Bで使用していたMC300という型番の物。オリジナルのマストクランプはφ60mmのマストが使えない。また、エレベータ式のタワーのため、アンテナの重量バランスが少しずれた位置でマストに固定する必要がある。今回はオリジナルより大きめのクランプを使い、重量のアンバランスで生じるブームの傾き抑える。後日カウンターウェイトを取り付け、バランスを取り直す予定だ。
REFから組み立てを始めた。EST(Element Support Tube)をEHT(Element Housing Tube)に差し込み、ゴム製のFCC(Flexible Connection Coupler)をEHTに被せ、ホースバンドで締め付ける。締め付けはある程度の強さで行い、時間を置いてから増し締めをする。マニュアルには”30分程度経ってから”、と書かれている。事実結構な力で締め付けたにもかかわらず、ゴム製のFCCの弾性が変わったのだろう、時間が経つとゆるめになっていた。増し締めを行ったら接合部を自己融着テープで防水をする。高温多湿の日本。これくらいの手間はいとわずやっておいた方が良いと思う。オンマウスの写真はDVRの接合部を自己融着テープで処理をしたところ(左側は未処理の状態)。
写真はREFのEST取り付けが完了したとろ。後は同じ要領でDRVとDIRのEHTにESTを取り付ける。
各EHU用のケーブル(4芯)と、コントローラに接続するケーブル(12芯)を端子板に接続する。もちろん配線ミスが無いことを何度も確認しなければならない。配線が完了したら、端子板とケーブルをオンマウスの写真のようにまとめる。
配線が終了した端子板を、防水用のプラスチック製ケースに納め、ネジ止め式のキャップを取り付けるわけだが、キャップには切りかけがあり、ケーブルがフリーに動いてしまう。ケーブルが引っ張られると、内部の端子板とケーブルにストレスが加わり、最悪の場合は断線事故につながり兼ねない。そこでオンマウスの写真のようにケーブルが引っ張られても中の端子板に力が加わらないよう、束線バンドにケーブルストッパーの役目を持たせる処理をした。
端子板を納めた防水ケースはホースバンドでブームまたはマストに取り付けるように指示をされているが、今回は写真のような金具を使って取り付けた。この金具はCD社のバランを取り付ける時の物で、ホースバンドでの取り付けより感じが良い。
同軸ケーブル(シール材と同軸用の防水キャップで防水処理をする)やコントロールケーブルの処理が終わったらアンテナをマストに固定する。オンマウスの写真はアンテナの水平を水準器で確認しているところ。
組み立て作業に誤りがないことを確認してからエレベーターのウィンチを巻き上げ、アンテナをタワーの中間部まで上げる。写真では分かりにくいが、ブームをタワーの面に平行にするとDRVのESTがタワーに接触するため、少し(約15度)回転させている。エレベーターの昇降で部材がタワーやエレベーターのレールに接触しないことを確認し、さらにウィンチを巻き上げる。
アンテナがフルに上がった。各エレメント(EST)の長さが均一なので少し違和感が。さて、うまく動作するだろうか。

組み立ての本番は朝10時に開始。3エレメントのSteppIRアンテナがタワーのトップに上がったのは18時過ぎ。幸運にも梅雨の中休みに時間が取れ、しかも大きなトラブルも無く組み立て作業が終了。重量バランスの取り直しや、手抜き工事有無の調査は過日行うことにして、アンテナの初期設定や動作確認へ進むことにした。