父の魂・27



やってきました誕生日

この「父の魂」のコーナーを始めて、はや1年となります。

書き始めたきっかけは、昨年の私の誕生日に、あまりに酷い仕打ちを受けたことからです。(第1話参照)

そして、今年も私の誕生日はやってきました。あたりまえですが。

誕生日当日の朝、起きると、嫁さんからは「おめでとう」の一言がいただけました。
しかし、子供は昨年同様、寝ぼけ状態です。

今年も同じ、進歩無し・・・かと思っていました。

しかし、その日の夜・・・・

会社から帰って遅い夕食をとっていると、パジャマ姿の子供が二人で連れ立って、プレゼントらしきものを持って、ニコニコしながらやってきました。

ああ、子供ができて10年目にしてやっと祝ってもらえそうです。

「パパ、誕生日おめでとう、キャハハ」

と、何が楽しいのか、笑いをこらえながら渡してくれたのは、古い包装紙に包まれたA5版サイズのでこぼこしたプレゼントでした。

包装はお姉ちゃんがやったようで、彼女のコレクションのシールが飾りとして貼ってあります。

「おお!お前らもやっとオレにプレゼントをくれるようになったか、ありがとうありがとう。
開けてええか?」

「うぎぎ、いいよ。ぐひひ」

と、もう二人の子供はこのイベントが楽しくて仕方がない様子。
ちなみに「うぎぎ」とか「ぐひひ」というのは子供がおもしろくて興奮してるときの声です。

「おお!明治チョコレートだ!」

まず100円のチョコレートが入っていました。

私がチョコ好きだから買ってくれたのでしょう。


嫁さんに
「あんたが仕組んだの?」

と聞くと
「ううん」と否定。

どうやら、自分たちで企画したプレゼントなので、子供らは私の反応が楽しみで仕方がないようです。

「うぎぎ。ぐひひ。けけけ」
こみ上げてくる笑いをこらえながら、身もだえして私を見ています。

続いて折り紙と、2つ折のカードが出てきました。

カードはノリでくっついていて開きません。
「オイ開かんぞ、これ」

「あれー。おかしいなあ、開くはずだよ。飛び出す誕生日カードを作ったんだから」
と、お姉ちゃん。

慌てて作ったのでくっついてしまったのでしょう。ノリをムリヤリはがして開けると、ケーキの絵が飛び出す工夫がされた痕跡がありました。

「おお!すげえ。あ、ろうそくの絵が取れた」

「キャー、ぎゃははははは」

と、子供たちの方が大喜び。


手紙も2通入ってました。


弟の手紙の文面は以下のとおり。

「パパいつもありがとう
おさんぽもたのしかたよ
うしろにぞかはいてのでりゃて
みそくだ」

後半は解読不能です。文字をかろうじて当てはめると上記のように見えます。

本人も書いた内容を忘れていて、何を伝えたかったのかは永久の謎になりました。

この手紙には私の似顔絵も描いてありました。



お姉ちゃんの手紙の文面・・・・

「パピーへ
やっほー たん生日おっめでとー
いやー本日はまあねえ
なんとゆうかどうというか
どういえばいいんだか
これからもねえ、ともに生きてゆく
わけだからさあ、これからもい〜〜〜っぱい
遊んでくらはい。あとねい、
90さいまで生きんとあかんよ。(本とうは
150さいまで生きてほしいとこだけど)
ということでこれからもよろしく。
ペペンケンケンペン
         ××××より」

最後のペペンケン・・・・は三味線の擬音のつもりでしょうか。
まるで敬老の日のようなお手紙でした。

でも、嬉しかったです。
親ばかにもここに紹介しちゃいました。




2001/4/28

BACK   NEXT

かのーさんの模型部屋TOP >父の魂・目次