月刊ファイブナイ2006年7月号 

       ロビー活動の必要性


            JA1ELY 草野利一


 昔からアマチュア無線は、主義・信条とは無縁できた。これを持ち出すと地域、国際交流が困難となってしまうからだ。今は無くなったがかなりの国で交信禁止国という規則があった。

 日本ではさらに政治からも距離を置いてきた。電波法に書いてあるとおり専ら個人的な技術的興味一本できたわけだ。

 しかし近年、電波資源を放送や遠距離通信としてだけでなく、インターネット、エネルギーや遠隔操作など様々な利用法が開発されるにつれ電波資源の分捕り合戦の時代に入った。

 アマチュア無線は国際条約と国内法規によって電波の使用が保証されているとはいえ、今や漫然とあぐらをかいてはいられなくなっている。

 積極的にアマチュア無線の有益性、公益性をPRし、社会に対し広範な理解を求めなければならなくなってきている。ARRLは「Amateur Radio is Public Service.」、「Amateur Radio is National Forces.」の標語を掲げて積極的にPRしている。そして常に電波資源の立法、行政の全てを管轄するFCC(連邦通信委員会)に対してアマチュア無線を代表し、時に交渉、時に協調と積極的にコンタクトをとっている。

 翻ってJARLはどうだろう。筆者の知る限り監督官庁である旧郵政省や総務省に対しての各種要望は行ってきているが、民主国家で認められている政治家や団体に対してのロビー活動を積極的に行っている形跡は見られない。

 JARLとしては特定の党派や議員を支持できないということだろう。しかし、それでいいのだろうか。アマチュア無線は法令によって運用が規制されているのであるから、アマチュア無線に理解を示す政治勢力を育成することは大事なことだ。

 その良い例が目下問題のPLCだ。メーカーや電力会社などの推進派は業界団体PLC-Jを組織し、自己の利益確立のために猛烈なロビー活動を行っている。

 その形跡はインターネットで検索するとぞろぞろ出てくる。例えば平井卓也衆議院議員は「政治圧力をかけてでも実用化」と日経コミュニケーションの取材に語っている。

 JARLはどれほどのロビー活動を行ってきたのだろうか。JARL NEWSには、国会議員でコールサインを持つ議員を中心とした国会ハムクラブとの儀礼的交流や記念行事に来賓として招待して挨拶を頂いたというような報道は何回も目にしたが、それ以外には何も無い。

 小野清子参議院議員(7M3URU)は総会に来賓として出席したり祝辞を寄せているが、JARLは小野議員にPLCに関して相談したことはあるのだろうか?

 全アマチュアの悲願である包括免許の実現やPLC問題の解決について、正しい認識を持って貰うための説明会や勉強会など是非積極的に活動して欲しいものだ。否すべきではないだろか。