月刊ファイブナイン誌 2007年2月号

BL-PA100は欠陥モデム

 JA1ELY  草野利一
 

 松下電器系列のパナソニック・コミュニュケーションズ(株)から発売されたPLCモデム、BL-PA100の使用テストが各地で行われています。それなりの速度が出ているようですが、現行の無線LANや光LANケーブルに優る物ではありません。

 1セット2万円と価格は無線LANより高いだけでなく、コンセントの近くでしか使えないという不自由さがあり、勝負にならないでしょう。

 問題の漏えいノイズですが、BL-PA100はアマチュア無線と日経ラジオ(短波放送)の周波数をOFDMのサブキャリヤーに使わない(通称ノッチ)ようにし、ノイズ問題を解決したと考えているようです。

 ノッチの効果についてはJA1EUI松嶋氏の測定したスペアナ写真を37ページに掲載しています。ご覧ください。一目瞭然です。

 当然ながら使わない周波数ではノイズは出ませんが、他の周波数ではものすごいノイズが出ています。JQ2GYU櫻井氏、JA6REX角縁氏が行ったノイズ調査について、両氏がWebやブログで公開しています。アクセスして確認してください。酷いものです。

 http://www.youtube.com/watch?v=MmMBEM7zSxw
 http://blog.goo.ne.jp/kakubuch/

 ところがこの漏えいノイズの強さは、総務省が無線ユーザーと共存出来るとして定めた伝導妨害波の電流規制値をクリヤーしているのです。情報公開法に基づいて型式認証についての情報を取り寄せましたが、ノッチについては全く記載されていません。

 ほとぼりが冷めた頃密かにノッチを外したとしても違反にはならないのです。もちろん他のメーカーがノッチ無しの製品を売り出しても、問題はありません。

 電波法施行規則ではPLCは家屋内での使用に限ると定めれていますが、モデムからの伝導高周波電流は積算電力計(メーター)を殆どロス無しで通過し、屋外に流れて行くことが確認されました。隣近所同士で通信が可能となりますし、屋外の電線からノイズが放射されることは確実です。

 審議会の杉浦座長が強弁し続けた「PLCノイズはパソコンノイズと同じ」は誤りということがはっきりしましたし、要するに審議会が答申した規制値算出が間違っているのです。

 こんなPLCが日本中で使われたら、短波帯は間違いなくノイズだらけとなり、微弱電波の受信は不能になるに違いありません、

 ところがこのモデム、無線ユーザーに妨害を与えるだけでなく、自分もノイズに弱いといのですから皮肉です。モデムにノイズが入り込むと速度が著しく低下します。

 ドライヤーだの充電器だのと一緒に使ってはダメだとか、パソコン用テーブルタップを使ってはダメだとも断っています。

 そしてなによりも致命的な欠陥は、単相200V3線式配電の家庭では通信できないことがあるのです。

 テストしようとしたJA1IDY青山氏が「変だな使えない」と言っていましたが、実はこれが原因だったのです。当然ですが使えない場合、メーカーは返品、回収に応じなくてはならないでしょう。

 それにしても天下の松下電器、消費者バカにした酷い欠陥商品(ノイズ発生器)を売り出したものです。

以下の写真のうち、2番目と3番目がキャプション(みだし)に
対応していなかったので修正します。
写真1 14MHz付近のノイズ。
スイープは9MHz〜19MHz(中心は14.0MHz)。
10MHz,14MHz,18MHzを避けていることが分かる。

写真2 PLCモデムをONにしただけの状態。
スイープは0〜30MHz(中心は15.0MHz)。
12MHz付近はノイズが出ているが14MHz以上では少ない。
写真3 ファイル転送中の状態。
スイープは0〜30MHz(中心は15.0MHz)。
25〜30dB位ノイズが増加するがノッチ部分では抑えられている。